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20110924(土)記 野田首相はどこの国の首相か? 国連本部での演説

五十嵐仁の転成仁語
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2011-09-23
9月23日(金) 野田首相が国連で語るべきだったこと [原発]
は、

野田首相が国連で語るべきだったことを、下記のように(---内)指摘しております。
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 このように、野田首相の演説や政府方針は極めて不十分なもので、一方で脱原発依存のポーズを取りながら、他方で原発維持・推進の方向も否定しないものとなっています。これを聞いた国際社会や国民は、野田首相や政府はどちらの方向に進むつもりなのかと、大きな疑問を感じたことでしょう。
 野田さんは揺れています。9月19日の6万人集会にも示されたような脱原発の世論には抗しがたいものの、原発推進を求める産業界の要望も拒むことはできないと考えているのでしょう。
 これでは困ります。相変わらずのリーダシップの欠如であり、フクシマ後の日本の最高責任者としては無責任きわまりない対応であると言わなければなりません。

 原発問題では、①国民の安全、②電力の安定供給、③温暖化の防止という3つを同時に達成する必要があります。野田さんにはその答えが見つかっていないから、明確な方針を出すことができないのです。
 しかし、国民の安全を第一に考えれば、原発をこれ以上推進することはできません。できるだけ早く原発依存から脱却し、自然エネルギーへと転換するためにイニシアチブを発揮することが首相としての最大の責務です。
 他方、電力の安定供給という点からすれば、直ちに全てを自然エネルギーに頼るということはできません。一定の過渡期が必要ですが、自然エネルギー買い取り法の改正や電力供給体制の改革などによってこの過渡期をできるだけ短くすること、その間のエネルギー供給を安定させることが必要です。

 ここで、第3の温暖化の防止との関連が生じます。昨日のブログでも書きましたが、原発は発生させる熱量の3分の1しか発電に回らず、3分の2は温排水となって海に放出されますから、この点でも原発は落第です。
 小出さんが著書で、原発は「海温め装置」だと書いているのはこのためです。海水温の上昇は法律で7度以下に抑えることが決められていますが、注水と排水が繰り返されれば、海水温はどんどん上昇していくでしょう。
 現在日本にある原発全てが稼働すれば、このような温排水は1000億トンにも上ります。1年間で日本の全ての河川から流出される水量4000億トンの4分の1に匹敵する量になり、これが周辺海域の温暖化を進めることは明らかでしょう。

 つまり、温暖化という点からも、原発の維持・推進は選択肢にならないということです。それに代わるものとして、当面は天然ガス(LNG)と石炭による発電を考えざるを得ません。
 天然ガスの発電によるCO2の発生は、石炭や石油による発電の3分の1ほどです。最近は、大量のシェールガスの発見によって供給量に問題はなく、国際基準よりも高い料金も、アメリカとの交渉や中国からの輸入などによって安くできるでしょう。
 石炭による火力発電も、チップとの混合によってCO2の発生を大きく減らす技術が開発されています。これについて『東京新聞』8月26日付の「特報」は磯子火力発電所のルポを掲載し、「日本の火力技術は世界トップレベルで、大気汚染物質は大幅削減され、いまや煙突からほとんど煙も出ない」と報じています。

 問題は、脱原発という方向を、政治の意思としてはっきりと確定させることです。そのうえで、脱原発のためにどうするのか、何が必要なのかを明言することこそ、野田首相が国連で語るべき言葉だったのです。
 フクシマでの原発事故によって大気と海洋を放射能で汚染し、日本は世界中の人々に迷惑をかけました。再びそのようなことのないように脱原発の方向に向かうことは、日本にとっての国際的責務にほかなりません。
 日本が脱原発による新しいエネルギー政策とそれに基づく成長モデルを作り出すことは、国際社会にとっても大きな利益になるでしょう。自然エネルギー技術の開発と輸出は、日本にも新しいビジネス・モデルをもたらすにちがいありません。

 フクシマでの過酷事故を教訓として、ドイツやスイス、イタリアは脱原発の方向を明確にしました。それにもかかわらず、日本がそのような方向を選択しないとなれば、国際社会からこう問われるにちがいありません。
 「フクシマは、一体どこの国にあるのか」と……。
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