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「原発の最悪事態も想定し万全の対応を」  日本経済新聞

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E7E3EAEAE5EAE2E3E5E2E1E0E2E3E39793E3E2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
「原発の最悪事態も想定し万全の対応を」
2011/3/17付
は、

大変重要な指摘をしました。「核」を冷やし、閉じ込めに成功しない場合、どう対処するのか。相手は凶暴残忍な怪獣、「核」です。私達は今、前人が誰もが経験しなかった新しい瞬間にあります。あらゆる場合に迅速に、的確に対処出来るようにするのが現実的ではないでしょうか。マンネリ意識では乗り越えられません。
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 福島第1原子力発電所は火災や発煙が続き、危機的な状況から脱せない。政府や東京電力の情報収集や提供も要領を得ず、避難指示が出ていない地域から一部住民が退避し始めるなど、混乱が広がっている。

 原発の重大事故という非常事態を乗り切るため、内外の知恵と人員、機材を総動員し、一刻も早く事態を鎮静させなければならない。情報提供も、より迅速、的確にし、不安の連鎖を早く断ち切る必要がある。

 火災の原因になった、原子炉の外の使用済み核燃料の過熱は予断を許さない。ヘリコプターから水を投下して冷やす作戦も、上空の放射線が強く、壁に突き当たった。原子炉が壊れて多数の人が被曝(ひばく)する惨事の恐れはなお拭いきれない。

 米政府は支援チームを派遣し、原子炉を設計した米ゼネラル・エレクトリック(GE)も電源車の提供を表明した。危機を乗り切るため支援受け入れをためらうべきではない。

 放出された放射性物質は原発から半径30キロメートルを超える地域まで、微量ながらも広がりつつある。万が一の事態も想定し、広範囲の住民避難や医療提供の準備も急ぐべきだ。

 屋内退避の対象である半径20~30キロメートル圏内には約14万人の住民がいる。圏外への避難が必要になっても混乱が生じないよう、情報を周知徹底し、秩序だって避難できるような手立てが要る。子どもが強い放射線に被曝すると、甲状腺がんなどを発症しやすい。子どもや妊婦を優先的に避難させる方法も準備が必要だ。

 首都圏以西や北海道などでも大気中の放射線量の測定を強め、迅速に公表する体制を早く整えるべきだ。47都道府県が数値の公表を始めたが、生の数字の公表だけでは国民が戸惑う。健康被害をどの程度心配すべきか、丁寧な情報提供が要る。

 国民が知りたいのは客観的にみて事故がどれほど重大で、政府がその克服にどんな基本作戦を練り、国民がどう行動すべきかだ。政府の情報提供はそれに応えていない。これでは不安がさらに広がる。

 安全・安心を担う原子力安全委員会や経済産業省原子力安全・保安院は首相官邸や東電の発表の追認に終始し、監督機関としての使命と責任を果たしていない。外部の専門家を交えて事故認識や対応方針を分かりやすく表明し、国民の不安をできるだけ取り除く必要がある。

 原発の非常事態が長引けば、生産活動の回復が遅れて経済への打撃が増し、被災者の支援や復旧にも悪影響を及ぼす。一刻も早い事故の収束に全力を集中しなければならない。
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