« 米軍「思いやり予算」関連 34年間の累積が17兆3000億円!! 衆院予算委で問題化 | トップページ | 財政が「大変」なら 米軍「思いやり」予算、大企業・大資産家2兆円減税を削れ!! 【国民本位】の財政を実現せよ。 それなくして、「国民の暮らし第一」を実現することは絶対不可能だ。 »

「閉塞した今の政治」 打開の即効薬 これしか無い 限度なき政治の根腐れは全摘あるのみ

以下はblog「転成仁語」より:
----------------------------------
2月11日(金) 民意を反映しない小選挙区制はワースト制度―早急に改めるべきである [論攷] [編集]
〔2011年1月1日に刊行された『日本の論点2011』(文藝春秋社)に小選挙区制についての私の論攷が掲載されました。すでに2月に入りましたので、ここにアップさせていただきます。〕

参院選では民主党の得票が自民党を上回った

 一九九四年(平成六年)の政治改革によって選挙制度が変わり、小選挙区制と比例代表制が組み合わされた小選挙区比例代表制が導入された。以来、一九九六年、二〇〇〇年、二〇〇三年、二〇〇五年、二〇〇九年と、五回にわたって、この選挙制度の下で衆議院選挙が実施されている。
 また、比例代表区と選挙区の組み合わせである参議院選挙も、選挙区の一部は一人の議員を選ぶ小選挙区となっている。いずれの選挙制度においても小選挙区制が組み込まれているが、そのことによって多くの問題が生じた。
 たとえば、二〇一〇年七月の参院選では、選挙区の得票は自民党の約一九四九万票(三三・三八%)に対し、民主党は約二二七五万票(三八・九七%)であった。また、比例区でも自民党の約一四〇七万票(二四・〇七%)に対し、民主党は約一八四五万票(三一・五六%)を獲得した。しかし、議席数では自民五一対民主四四と逆になっている。それは、小選挙区制の一人区で二一勝八敗と自民党が圧勝したからである。
 このように、小選挙区制は国会に民意を反映せず、選挙結果を大きく歪めてしまう。このような欠陥選挙制度は、早急に改められなければならない。
 小選挙区制の導入を提言したのは、第八次選挙制度審議会であった。リクルート事件やゼネコン汚職などの金権腐敗政治を一層するための政治改革の一環としての提言であったように、その最大の眼目は政治腐敗をなくすことにあった。

小選挙区でなくても政権交代は達成できた

 しかし、選挙制度は変わり、政党助成金が交付されるようになったにもかかわらず、「政治とカネ」の問題はなくならなかった。鳩山前首相の資金管理団体による偽装献金事件、小沢一郎民主党前幹事長の資金管理団体「陸山会」による収支報告書虚偽記載事件、北海道教職員組合による不正資金提供事件などが相次いでいる。
 一〇年六月に、「政治とカネ」問題の責任をとって鳩山首相と小沢民主党幹事長が辞任したのは記憶に新しい。「小選挙区制=政治腐敗の一掃」は神話だったのである。
 また、小選挙区制では二大政党制になって政権が安定するとの擁護論もあった。確かに、〇三年の総選挙では、共産党や社民党などの小政党が議席を減らし、自民党と民主党による「二大政党制」的な構造ができた。
 しかし、その後の政権は安定するどころか、かつてなく不安定化したことは周知のとおりである。〇六年に成立した安倍内閣から、福田内閣、麻生内閣と一年ごとに首相が交代し、〇九年の政権交代後に就任した鳩山首相も、わずか九ヵ月で辞任して菅首相に後を譲った。とても、政権の安定などと言えたものではない。「二大政党制=安定政権」も神話にすぎなかったのである。
 それでは、〇九年秋の政権交代はどうなのか。小選挙区制でなければ交代しなかったのだろうか。そんなことはない。与党だった自公両党の小選挙区での得票率は四〇%にすぎなかった。比例代表制でも、政権を維持することは不可能だっただろう。
 小選挙区制は、選挙での勝敗を変えることもある。前述のとおり、一〇年参院選の民主党は、得票数・率では自民党より多いのに、獲得議席では少なくなった。有権者の選択とは逆の結果になるような選挙制度は失格である。選挙制度のカラクリによって政権交代が促進されるなどということは、本来、あってはならないし、有権者の支持態度が変化すれば、どのような選挙制度であっても政権は交代する。
 かつて、政治改革によって選挙制度が変わろうとしたとき、私は『一目でわかる小選挙区比例代表並立制』という著作を世に問い、死票が多く出る、支持状況と議席分布が大きく乖離する、小政党が排除されるなど、小選挙区制の問題点を指摘した。これまでの選挙を例に、これらの問題点を検討してみよう。

〇九年総選挙では半数近い票が死票に

 第一に、議席に結びつかない死票はどれほど出たのだろうか。〇九年の総選挙の場合、投票総数七〇五八万票のうち死票は三二七〇万票で死票率は四六・三%に上った。半数近い投票が議席とは無関係なのである。もしこれが比例代表制であったとすれば、これらの投票はほとんど全て議席に結びついたにちがいない。
 第二に、支持状況と議席分布の乖離はどうなったのか。二〇〇九年総選挙では、民主党が三三四八万票(得票率四七・四%)で二二一議席(議席率七三・七%)となった。二六・三ポイントのかさ上げし、四割台の得票で七割台の議席を占めた。逆に、自民党は二七三〇万票(三八・七%)で六四議席(二一・三%)となり、一七・四ポイント減少した。得票率では八・七ポイントの差が、議席率では五二・四ポイントの差にまで拡大されている。比例代表制であれば得票率と議席率は比例するので、このような差は出ず、その拡大もあり得ない。
 第三に、小政党の排除という点はどうか。過去五回の総選挙でいずれも候補者を立てた共産党と社民党を見ると、小選挙区での共産党の当選者は最初の時だけ二議席だったものの、その後は当選ゼロとなっている。社民党の場合は、四、四、一、一、三議席の当選となった。過去三回の総選挙で、七、九、八議席を獲得していた公明党も、二〇〇九年総選挙では全敗し、当選者を出すことができなかった。選挙を経るごとに小政党は議席を減らし、独力では小選挙区で当選できなくなっていることがハッキリと示されている。
 このように、政治改革で謳われたメリットは「神話」にすぎず、デメリットだけが「現実」となってしまった。その結果、日本の政治は出口のない袋小路に入り込み、閉塞状況に直面している。

国会を民意の縮図にするには比例代表制

 二〇〇九年の総選挙で政権は交代したが、民主党中心の現政権に対する選択肢としてあり得るのは、現状では、自民党中心の政権だけである。一つの出入口でつながった二つの部屋のようなもので、こちらの部屋(民主党中心の政権)の居心地が悪いからといって、別の部屋に移ろうとしても、そこにあるのはすでに飽きられたもう一つの部屋(自民党中心の政権)なのである。これが、民主党と自民党による「二大政党制」の本質なのだ。
 イギリスでは、二〇一〇年五月の総選挙で第一党の保守党も第二党の労働党も共に過半数を得ることができず、第三党の自由民主党がキャスチング・ボートを握った。その結果、小選挙区制改革の国民投票を条件に、保守・自民の連立政権が成立した。
 イギリス政治が抜け出そうとしている袋小路に、日本政治が入り込んでしまったのである。そこから抜け出すためには、イギリスのような選挙制度を改めなければならない。選挙制度にベストはないかもしれないが、ワーストはある。それが小選挙区制なのだ。
 選挙の基本は、議会に民意の縮図を作ることである。そのような民意に基づいて政権を構成し、政治運営を行うことこそ、議院内閣制の本旨である。政治主導を言うのであれば、まず、「国権の最高機関」である国会と民意との距離を可能な限り縮めることから始めるべきだろう。比例代表定数の削減など、とんでもない。このような逆立ちした改革案は、国会の議席分布と民意との乖離を更に広げ、政治の閉塞状況を強めるだけである。
 国会を民意の縮図とするためには、民意を反映しない小選挙区制を改め、世界の先進国の多くと同様に比例代表制的な選挙制度に変えなければならない。そうすれば、選挙区定数(「一票の価値」)の不平等という難問もまた、たちどころに解決されるにちがいない。

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2011-02-11
2月11日(金) 民意を反映しない小選挙区制はワースト制度―早急に改めるべきである [論攷]
-----------------------------------

|

« 米軍「思いやり予算」関連 34年間の累積が17兆3000億円!! 衆院予算委で問題化 | トップページ | 財政が「大変」なら 米軍「思いやり」予算、大企業・大資産家2兆円減税を削れ!! 【国民本位】の財政を実現せよ。 それなくして、「国民の暮らし第一」を実現することは絶対不可能だ。 »